2013年11月3日日曜日

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

村上春樹. (2013).『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』. 東京: 文藝春秋社.


 時間ができたので、学校図書館で借りて読んでみた。

 学生時代に日本の近代文学に触れ、とりえず手当たり次第春樹作品を読み漁っていた頃のことを思い出した。

 目の覚めるようなメタファーと、迫るような心情描写に少し食傷気味になりながらも最後まで読破。ストーリーとか登場人物の個性とか、そういうものが背景化されて、世界観自体が強烈に押し出されるような不思議なレトリックにはやはり惹かれてしまった。多様な解釈が生まれる美術館の一枚の絵のような奥行きがある作品。春樹ワールド恐るべし。

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