2012年12月19日水曜日

引っ越し

FC2から引っ越しました。

蟹工船

"There is light because there is darkness." And, of all people, the person who has emerged from the darkness appreciates the blessing of light.
                                                                                                                         KOBAYASHI Takiji

「闇があるから光がある」そして闇から出てきた人こそ、一番ほんとうに光の有難さが分るんだ。
                                     小林多喜二


死に至る病

Life can only be understood backwards; but it must be lived forwards. 
                         
Soren Kierkegaard

人生は、後ろ向きにしか理解できないが、前を向いてしか生きられない。
               
セーレン・キルケゴール


キリマンジャロの雪

Never confuse movement with action.

Ernest Hemingway


動きと行動を混同してはならない。

アーネスト・ヘミングウェイ



モラリスティック・フェイクショー

We are more interested in making others believe we are happy than in trying to be happy ourselves.  

 François de La Rochefoucauld


われわれは、どちらかといえば、幸福になるためよりも、幸福だと人に思わせるために四苦八苦しているようである。   

  ラ・ロシュフーコー



サロメ

There is only one thing in the world worse than being talked about and that is not being talked about.
 
     Oscar Wilde

話の種になるより悪い事がひとつだけある。話の種にもならないことだ。
   オスカー・ワイルド


タオ

Give a man a fish and you feed him for a day. Teach him how to fish and you feed him for a lifetime.   
                   
Laozi


人に魚をあげれば彼は一日の食を得る。彼に魚の釣り方を教えれば一生の食を得る。

老子



Relativity is near.

Education is what remains after one has forgotten everything he learned in school. The aim must be the training of independently acting and thinking individuals who see in the service of the community their highest life problem.

Albert Einstein


教育とは、学校で習ったすべてのことを忘れてしまった後に、自分のなかに残るものをいう。そして、その力を社会が直面する諸問題の解決に役立たせるべく、自ら考え行動できる人間をつくること、それが教育の目的といえよう。

アルベルト・アインシュタイン



パンセ

Man is no more than a reed, the weakest in nature. But he is a thinking reed.

Blaise Pascal


人間は自然界の中でもっとも弱い葦にすぎない。だが、考える葦である。

ブレーズ・パスカル


Modern Painters

All books are divisible into two classes, the books of the hour, and the books of all time.

John Ruskin


すべての本は、束の間の本と一生の本の2種類に分けられる。

ジョン・ラスキン


試行錯誤学習

Colors fade, temples crumble, empires fall, but wise words endure.

Edward Thorndike



色は褪せ、寺院は朽ち果て、帝国は滅びる。しかし、賢者の言葉は残る。

エドワード・ソーンダイク



Guliver

There is nothing in this world constant but inconstancy.

Jonathan Swift


この世で変わらないのは、変わるということだけだ。

ジョナサン・スウィフト


過去と現在

Adversity is the diamond dust Heaven polishes its jewels with.

Thomas Carlyle



逆境とは、天が自らの宝石を磨くのに使うダイヤの粉のことだ。

トーマス・カーライル



ルネサンス

All art constantly aspires towards the condition of music.

Walter Pater


すべて芸術は絶えず音楽の状態に憧れる。

ウォルター・ペイター



塩の行進

You must not lose faith in humanity. Humanity is an ocean; if a few drops of the ocean are dirty, the ocean does not become dirty.
Mahatma Gandhi

人間性への信頼を失ってはならない。人間性とは大海のようなものだ。ほんの少し汚れても、海全体が汚れることはない。
                                 

マハトマ・ガンジー


ラッセル・アインシュタイン宣言

One of the symptoms of an approaching nervous breakdown is the belief that one's work is terribly important.

Bertrand Russell


遠からず神経衰弱に陥る人の兆候のひとつとして、自分の仕事がきわめて重要なものだという信念があげられる。

バートランド・ラッセル



最後のひと葉

Write what you like; there is no other rule. 

O Henry


好きなことを書きなさい。それ以外の法則はありません。                                             

オー・ヘンリー



ハムレット

Brevity is the soul of wit.

William Shakespeare


簡潔は機知の精髄。

ウィリアム・シェイクスピア



Plane Clazy

All our dreams can come true - if we have the courage to pursue them.

Walt Disney


追い続ける勇気があるなら、すべての夢は必ず実現できる。

ウォルト・ディズニー



若きウェルテルの悩み

All things are only transitory.

Johann Wolfgang von Goethe


この世の、すべてのものは、泡沫にすぎない。

ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ



Thomas More

Zeal without knowledge is fire without light.

Thomas Fuller


知識の裏付けのない熱意は、光のない火のようなものだ。

トーマス・フュラー



The Wizard of Menlo Park

Many of life's failures are people who did not realize how close they were to success when they gave up.
Thomas Edison
失敗する者の多くは、あきらめてしまうとき、自分がいかに成功に近づいているかに気付いていない。
トーマス・エジソン


Apple

Stay hungry, stay foolish.

Steve Jobs


ハングリーであり続けよ。愚かであり続けよ。

スティーブ・ジョブズ


Lamia

Nothing ever becomes real till it is experienced. Even a proverb is no proverb to you.

John Keats  
 

経験するまでは、何事も本物ではない。ことわざであっても、同じ事だ。

ジョン・キーツ


助産術

True wisdom comes to each of us when we realize how little we understand about life, ourselves, and the world around us.
Socrates

生と自らと取り巻く世界について、どれだけ理解していないかを理解するとき、我々一人一人に本当の英知が宿る。
 
ソクラテス 


Self-help

If you can't, you must. If you must, you can.

Anthony Robbins


できないのなら、やらなければならない。やらなければならないのなら、できる。

アンソニー・ロビンズ


Knickerbocker

Great minds have purposes, others have wishes.

Washington Irving



偉大な魂は目的を持ち、そうでない者は願望を持つ。

ワシントン・アーヴィング



Crime and Punishment

Taking a new step, uttering a new word, is what people fear most.

Fedor Dostoyevsky


新しい一歩を踏み出すこと、新しい言葉を発することは、人々がもっとも恐れることである。

フョードル・ドストエフスキー



Light in August

A mule will labor ten years willingly and patiently for you, for the privilege of kicking you once.

William Faulkner


ラバは10年もあなたのために不満も言わずに我慢強く働く。たった一度あなたを蹴飛ばすという特権のために。

ウィリアム・フォークナー


What is Man?

Good friends , good books and a sleepy conscience: this is the ideal life. 

Mark Twain


良き友、良き本、眠りかけた良心、これぞ理想の人生。

マーク・トゥエイン



Pygmalion

If you teach a man anything, he will never learn.

George Bernard Shaw


もしあなたが人になにかを教えようとすれば、彼は何も学ぼうとしないだろう。

ジョージ・バーナード・ショー



Harvard

Every man I meet is in some way my superior.

Ralph Waldo Emerson


私が出会う人は誰でも、どの点かにおいて、私より優れている。

ラルフ・ウォルドー・エマーソン



アレテー

Education is the kindling of a flame, not the filling of a vessel.


教育とは、炎を燃えあがらせることであって、入れ物を満たすことではない。


人間悟性論・人間知性論

New opinions are always suspected, and usually opposed, without any other reason but because they are not already common.
John Locke

新しい意見は、それがまだ共通の理解をえていない、というだけで疑われ、反対される。
ジョン・ロック


消極教育

People who know little are usually great talkers, while men who know much say little.
Jean-Jacques Rousseau

わずかしか知らぬ者は多くを語り、多くを知る者は言葉少ない。
ジャン=ジャック・ルソー


オルガノン

The roots of education are bitter, but the fruit is sweet.

Aristotle

教育の根は苦いが、その果実は甘い。
 
アリストテレス


Ghoti

You see things; and you say, 'Why?' But I dream things that never were; and I say, "Why not?"
人はものごとを見て、「なぜ、そうなのか?」と考える。しかし私は、いまだかつてかくあらざるものを夢見て、「なぜ、そうでないのか?」を考えるのだ。

2010年を振り返る

修士論文の初稿を一気に書き上げ、新年を地元宮城で迎えるために帰省。

今年もいろいろあったなあ。少しは成長できただろうか。


久しぶりの友人と再開。世相を反映するような世知辛い状況を生き抜く友人のために、何もしてやれない自分の無力さを呪う。苦しいけど、お互い精進しましょう。

とりあえず新年に向けて今のうちに充電しておこう。

なかなか手がつかない修論修正作業…

年明けから本気出す◎

Thinking

修士論文の修正作業に飽きて、ふっらと立ち寄った本屋で立ち読み。

この手の自己啓発本は普段は滅多に読まないのだけれど、専門分野以外のジャンルに手を出したい気分だったので読んでみました。


山崎将志. (2010).『残念な人の思考法』. 東京: 日本経済新聞出版社.

残念な人の思考法(日経プレミアシリーズ)残念な人の思考法(日経プレミアシリーズ)
(2010/04/09)
山崎将志

商品詳細を見る


以下に目にとまった箇所をメモ。※記憶を頼りに書いてます、その点ご了承ください。


①「PREP論理術」
 いざという時に論理的な話し方が出来ない自分としては、ぜひ心がけたい話術。

Point [結論]
Reason [理由]
Example [具体例]
Point [結論]

 論理的に話すには、まず自分の主張を明確にします。続いてその主張を裏付ける根拠を提示します。さらに聞き手にとって説得力のあるよう、具体例を交えて主張を強化していきます。最後にもう一度結論を繰り返し強調します。

 この類の方法は、いろんな人がいろんな文脈で提案しているのをよく見かけますよね。ただ実際にものにするまで意識して使ってみたことはないかも。来る時にそれ相応の応対ができるよう、説得力のある話術を普段から心がけて身につけたいものですね。


②「SMARTの法則」
 組織あるいは個人レベルで、何らかの行動の変革をもたらす際に用いる指標のようです。

Specific [具体的である]
Measurable [測定可能である]
Agreed [納得している]
Realistic [実現可能である]
Timely [今やるべきことである、あるいは期限がある] 
 
 スマートという頭文字の組み合わせが何とも胡散臭いですが、何かアクションを起こしたいとき、短期でも長期でも具体的な実現目標を設定すべき時に、タスクの優先順位を決定していく過程の中で役に立ちそう。特に自分はわかり易いくらいに動機とマッチした場合にしかポテンシャルを発揮できないので、三番目の指標として挙げられてるAgreedに関しては重々検討していく必要がある気がする。ただ見極めるのは大変だなぁ… 自他共に納得できる仕事を自信を持ってやっていきたいです!


 自己啓発本、実際に自分の仕事に有効活用できるかどうかは怪しいですが、こういったジャンルのものも刺激的で勉強になります。機会を見つけて続けていけるといいな。

Gmail

あと12時間後に修士論文の提出を控えております。

うー、あっという間だなぁ。やりたいことはいっぱいあるし、一つずつ着実かつ効率よく消化していこう。


ということで仕事術に関する本を手に取りました。

来年度の勤務先ではgmailを多用することが予想されるので一先ず予習を。


樺沢紫苑. (2010). 「メールの超プロが教えるGmail仕事術」. 東京: サンマーク出版.

メールの超プロが教えるGmail仕事術メールの超プロが教えるGmail仕事術
(2010/04/05)
樺沢 紫苑

商品詳細を見る


 自分もgmailはカレンダーやTo Doリストと連動して普段から好んで使っているので、これといって目新しい情報は得られませんでしたが、精神科医である著者の書きっぷりに惹かれてあっという間に読み込んでしまいました。

 メルマガからの情報収集のメリットなど、使ってみたくなるような記述満載でした。Inbox Zeroの不必要性を裏付ける、エイリアス機能を使いこなしたメルマガ図書館の構築についてはとても参考になりました。「ラベル」「フィルタ」機能を全く使いこなせていないので、これを機に触ってみようと思います。


 職業観やいわゆる仕事っぷりについては、30歳までに、その幹となる部分がほとんど決まってしまうという話をどこかで耳にしたことがあります。春から社会人になる身として、この5年間は勝負処だと思ってひたすら基盤形成に努めたいと思います。特に哲学、思考法というか、自分の中の太い部分を少しでも多く高めていけたらいいなあ。とりあえず学部時代、心理学の先生がゴリ押しされていた、「本」、「人」、「旅」、この3点セットを大事にしていこう。←学部時代と全く変わらない思考… まあいっか!

Career Planning

 修士論文の提出を無事に終え、非常勤の仕事で東京へ。

 江古田のブックオフにて特に何の目的意識も持たずにビジネス書コーナーを散策。こういうのも悪くないもんです。ふと手にした龍谷大学教授の著書、気になった箇所をメモ。

東田晋三. (2010). 『自分の説明書の作り方 2010: 就職活動を貴重な体験とするためのキャリアプランニングのススメ』. 東京: 近代科学社.

自分の説明書の作り方 2010―就職活動を貴重な体験とするためのキャリアプランニングのススメ (2010)自分の説明書の作り方 2010―就職活動を貴重な体験とするためのキャリアプランニングのススメ (2010)
(2008/11/01)
東田 晋三

商品詳細を見る


 キャリアプランの設定に必要不可欠な「GST」なるものが紹介されていました (pp. 44-47)。著者がアメリカの大学訪問時に知った着眼点のようです。向こうでは広く一般的に運用されている概念で、各種面接試験やミーティングでも問われることが多いそう。参考になります。
 
Goal (目標): そうなれば成功だと思える姿、目的が達成された姿。
Strategy (戦略): その状態や姿になるための考え方を箇条書きにして表現する。目標達成のための主軸。
Tactics (戦術): 具体的方法。状況に応じて柔軟に変更していく。

 尊敬する大学教員が、「常に5年後の自分を見据えて行動しろ」と仰っていたのを思い出しました。明確な目標をしっかりと据えて、スモールステップで着実にゴールに近づくこと。最もシンプルで効果的な方法ですが、頭ではわかっていてもなかなかそれを戦略的に実践に移していくことは難しいですよね。とにかくどんなに小規模でもいいから積極的にアウトプットする機会を増やすこと、これがカギになりそうです。続けていこう。

Peter Ferdinand Drucker

 時間がとれたので晩飯に「なか卯」へ (人生初)w 糸コンとしいたけがなんともいえなかったです。券売機の煩さは異常でした。

 その後本屋で立ち読み。

上田惇生. (2009). 『ドラッカー 時代を超える言葉: 洞察力を鍛える160の英知』. 東京: ダイヤモンド社.

ドラッカー 時代を超える言葉―洞察力を鍛える160の英知ドラッカー 時代を超える言葉―洞察力を鍛える160の英知
(2009/10/09)
上田 惇生

商品詳細を見る


 以下に気になったドラッカーの言葉 (著者訳)及び著者自身による記述をメモ。


「今日われわれは、昔からの問いである一人ひとりの人間の意味、目的、自由という根源的な問題に再び直面している。世界中の若者に見られる疎外の問題が、この問いに答えることを迫っている。組織社会が、選択の機会を与えることで、一人ひとりの人間に意思決定を迫る。」(p. 9).
 
 選択肢の豊富さに困ってしまうくらいに情報が溢れ、自らの意思決定が容易ではなくなってきた現代社会でこそ、根っこの部分に横たわる、私たちの人間存在、あるいは自己実現のあり様など、個人の強い意思が求められるのだと思います。ネットワークの爆発的な広がりが逆に個人の閉鎖感を高め、意思決定の視野を狭めていく、今日的な課題と突き合わせながらもっと深く考えていきたい部分です。


「データは情報ではない。情報の原石にすぎない。原石にすぎないデータが情報となるには、目的のために体系化され、仕事に向けられ、意思決定に使われなければならない。」(p. 18).

 Information Literacyの概念にも関わってくる重要な言葉だと思います。容易に手に入るようになった情報を知識として活用するには、自分の中に生かすための手続きを踏まなければならないのではないでしょうか。たしかに仮説検証的に目的意識を吹き込んで情報を運用してみることで、初めてそれが意味を成す場合がほとんどかもしれません。


「重要なことは、人材の質を維持し、向上させ続けることである。有能な人材をひきつけられなければ、立ち腐れが始まる。その結果生じる衰退を逆転させることはできない。不況期においてさえ、有能な人材は、挑戦や機会がなく、何かを達成したり成果をあげたりすることのできないところにはとどまらない。」(p. 141).

 仕事にこなれて要領よくやれるようになった時こそ何らかの変革を起こすべきだということが本書では強調されていました。そういった自己を向上させるような仕組みがうまく機能しない組織は捨てていくのが身のためとも書かれていました。そこまでストイックに自己実現に向かえるかは怪しいですが、新しい環境に飛び込むことを恐れないようにはしていきたいです。


「リーダーシップとは人をひきつけるような扇動的資質ではない。人の視線を高め、成果の基準を上げ、通常の制約を超えさせるものである。」(p. 144).

 中高と続けてきた「ジュニアリーダーズサークル」の中でも時折考えさせられたリーダーシップの概念。経営の論理が入り込むと、人的な胆力のような、カリスマ性のような特殊な魅力はむしろ排斥すべきなのかもしれません。大学院の恩師はこれを淡々とやってのけるような人物であるような気がします。納得。


「あらゆる先進社会が組織社会になった。経済、医療、教育、環境、研究、国防など主な社会的課題はすべてマネジメントによって運営される永続的存在としての組織の手にゆだねられた。今や現代社会そのものの機能が、それらの組織の仕事ぶりにかかっている。しかも、今日の市民は被用者である。彼らは組織を通じて働き、組織に生計の資を依存し、組織に機会を求める。自己実現とともに、社会における位置づけと役割を組織に求める。」(p. 214).

 当然のことですが、生まれてこの方人様とのつながりなしに生きてきた瞬間は少しもありません。これからも自分は生きていく以上、何らかの組織に身を委ね、その一員として機能していくことと思います。組織に自分なりの価値観と可能性を見出し、いつ何時そのことについて尋ねられても説明できるような人間でありたいと思います。


「学校と生活は切り離されたものではありえない。学校と生活は相互にフィードバックし合う有機的なプロセスとして結合される。これこそが、継続学習が目指すものである。」(p. 149).

 生涯学習の概念が定着しつつあり、現職・社会人のための大学院や定年を迎えた高齢層の方たちが大学とコミットすることがごく自然な形で実現するようになりました。英語教育の文脈でも、「自律した学習者」の育成が急務とされています。自ら学び続ける学習者を育てるために、教師としてどんな支援が可能なのか、これから仕事に当たるに際して考えを深めていきたいです。


以下著者による記述: 水に入ったことのない者、水圧を体感したことのない者に泳ぎを教えることは至難である(p. 228).

 年齢に適した学習内容を、といった内容に対して書かれていたものであったと思います。学習者のレディネスや背景知識といった個人内要因を鑑みると、確かに学ぶべき時期に則していないような内容を学校教育のある特定の時期に扱わなければならないといった節があるかもしれません。


インドは質量ともに世界最高水準の医師とプログラマーを擁する。他方、知識のない、低賃金で働く肉体労働者は、途上国に豊富にいる。 (p. 227)。

知識労働と肉体労働の両方を行うテクノロジストの育成が求められているという内容に則しての記述でした。そもそも知識労働と肉体労働の境界というか区分が曖昧ですが、「ものづくり」に対する興味を失ったら人間終わりだと思います。機会を見つけてものづくりの経験値、これから高めていけたらと思います。


 全体的に印象に残ったことばに、「真摯さ」というものがありました。何かを成し遂げようとする人に共通してみられる真摯さが自分にはあるかどうかは不安なところですが、とても参考になります。

Statistics

 今日は近くのモールで「英語教育2月号」購入ついでに読書。

神永正博. (2009).『不透明な時代を見抜く「統計思考力」』. 東京: ディスカヴァー・トゥエンティワン.

不透明な時代を見抜く「統計思考力」不透明な時代を見抜く「統計思考力」
(2009/04/15)
神永 正博

商品詳細を見る


 大学院時代に一番勉強したこと…それは教育心理統計。論文を読むにも書くにもこれなしではやっていけない分野だったので仕方ありません。錆びついた数学の知識を再活性化させるのに本当に骨が折れました。本書はとてもわかりやすい具体例を交えて平均値や標準偏差や相関といった基本的な概念を丁寧に説明していました。改めてデータに踊らされないように基本理念を徹底的におさえることが大事だと再考させられました。以下気になった点をメモ。

・平均値より中央値を重視すべき局面がある。

・周期性がなくてもそう見える、見せかけの循環 ユール=スルツキー効果 (p. 132)に注意。
 
 著者は周期性よりも大きな概念としての規則性について言及されていました。株価の値動きの例がとてもわかりやすかったです。擬似相関など、そう見えてしまうものを特性として捉えてしまうことは避けたいです。

・標準偏差=データの散らばり具合⇒分散はルートの中身 (pp. 137-140)
・偏差値=50+10×(その人の得点-平均点)÷標準偏差⇒正規分布を考慮して、平均からどれくらい離れているかを見るもの(p. 148)

 偏差値を扱う職業として、正規分布における偏差値と人数分布くらいは頭に入れておこうと思いました。⇒偏差値50の中央から38.3%, 24.17%, 6.06%, 0.62%のデータがおさまるように分布が広がる。ただし、ワイブル分布のようなゆがみに注意せよと著者は言及していました(p. 157)。共通一次の得点等に関してはこの正規分布を応用するのは不適であることも言及されていました。


 院での文献研究に際しても同様のことを感じましたが、とにかく生データをよく見つめること、他人の解釈によって加工される以前のものを見ておくこと、これが大事だと思います。

Style

 修士論文提出の反動でものすごくゆったりとした生活をしているこの頃。
明日からまた気持ちを切り替えて動きださねば。買い物ついでに読書。以下気になったところをメモ。

 谷澤史子. (2006). 『仕事は見た目』. 東京: あさ出版.

仕事は見た目仕事は見た目
(2006/11/20)
谷澤 史子

商品詳細を見る


 特にプレゼン場面でのネクタイカラーの選択 というセクションから。ブルー系のネクタイは知性と冷静さを、赤系は内に潜む闘志と自信をアピールするのに役立つそう(pp. 179-180)。視覚的なものは見る人によっても異なると思うので一概にそうとは言い切れませんが、印象的な部分、大事だと思います。
 
 靴下はロングホーズのものを、色は基本のチャコールグレー・こげ茶・黒・紺の4色を常備して、スーツと靴、シャツの全体的なイメージに合わせてコーディネートするとよいそう。
 
 ベルトは黒かこげ茶のカーフ素材のものが無難。靴や鞄の色と合わせる。バックルの金属部はシルバーかゴールドにして、自分のイメージカラーに合わせるか、時計とコーディネートするとよい。


 スーツのタイプに関しては結局当たり前のことしか書かれていない印象を受けました。要は体のラインに合ったスーツで、発色に関してはTPOをわきまえて、といったところです。この仕事をしているとどうしても人の前に立って見られる機会が多いです。特に言語的、非言語的なコミュニケーションそのものを教材として扱う仕事なので、見る人にとってどのような表現が最適かを常に意識・検討することが大事だと思います。
 通勤から授業、帰宅まで、最悪の場合は家でもずっと同じジャージ一着で勝負するという教員も、自分が中学時代にはいました。子どもたちは教える側の身だしなみやスタイルから強い印象を受ける場合があります。教える側の気の持ちようや態度、姿勢・行動といった側面にも大きく影響を及ぼす要素だからです。授業や会議ではバシッと気の利いたスーツを、部活動や野外活動ではそれなりの動きやすい格好を、機能と状況に応じた着こなしができる人間でありたいものです。

Goethe

たまにはこういうのも悪くないです。むしろ好きです。

ゲーテ (著)・高橋健二 (訳). (1952). 『ゲーテ格言集』. 東京: 新潮社.

ゲーテ格言集 (新潮文庫)ゲーテ格言集 (新潮文庫)
(1952/06)
ゲーテ、高橋 健二 他

商品詳細を見る


「星のように
 急がず、
 しかし休まず、
 人はみな
 おのが負いめのまわりをめぐれ!」 (pp. 165-166)

「思慮を欠いた事をすると、始終、逃げ道はないかと探していなければならない。」(p.173)

「この地方を説明せよと言うのか。先ず自分で屋根に上りなさい。」 (p. 195)

「一つ所に執着するな。
 元気よく思いきって、元気よく出でよ!
 頭と腕に快活な力があれば、
 どこに行ってもうちにいるようなもの。
 太陽を楽しめば、
 どんな心配もなくなる。
 この世の中で気ばらしするように
 世界はこんなに広い。」 (pp. 197-198)

 内的な部分を大切にせねばと、ポジティブに思わせてくれるような絶品の数々。翻訳でも心に響く言葉がたくさんありました。ドイツ語ドイツ文学はからっきしですが、この手の本を上手く活用して教養の幅を広げてみたいです。

Extensive Reading

 最終ゼミを終え、東京都市大学の山崎朝子教授によるフォーラムに出席してきました。

 テーマは多読 (extensive reading) についてでした。多読の目的や効果について、ご自身のdisertationや各国の先行研究から得られている知見を織り交ぜながら、初心者にも解り易いよう丁寧にお話されていました。個人的には先行研究のセクションについてもっと具体的なデータが欲しいと感じましたが、限られた時間の中で無駄を削ぎ落とし、有意義な発表の骨子をデザインするのは本当に大変なことであると感じました。先生は当日の朝に入念なリハーサルを行い、時間配分に合わせて内容を調整されていたようでした。かなり熟練したその道の専門家ですらそういった事前準備を怠ることはしないようです。思わず背筋が伸びるような思いでした。

 graded readersのような多読教材を高等学校の文脈で扱うことは少し難があるかもしれませんが、生徒の熟達度に合わせた読解指導の一つとして、学級文庫の中に積極的によいものを取り入れていくことが望まれます。先生は講演の中で、全くそういった教材の設備がない学校で多読活動を一から始めるは、配本の交換時期等も考慮して、40人クラスで最低でも200冊を用意できるとよいとアドバイスされていました。長期的な視野に立つと少なくともその倍は必要になるかもしれません。学校との予算の兼ね合いもあるでしょうし、生徒の意欲にも大きく左右される活動であるとは思いますが、先行研究に裏付けられた多読の目的や背景をきちんとおさえた上で実践に活かすことで、総合的な英語力の伸長にも繋がることが期待されます。非常に参考になる有意義な講演でした。

MASTER KEATON

 前々から見たいとは思っていたけど時間がとれなくて放置されていた…


浦沢直樹・勝鹿北星. (1998).『MASTERキートン』.小学館・バップ・NTV.

MASTERキートン File1 [DVD]MASTERキートン File1 [DVD]
(1999/12/22)
傷@島邦明

商品詳細を見る



 全39話のアニメ作品です。op, ed抜いて1話あたり約20分ですので、ちょうど13時間くらいこれに費やしたことになります。三日間かけて一気に鑑賞しました。

 子どもの頃、本棚にぎっしりと入っていた漫画版の「MASTERキートン」は親父のものでした。他にも「MONSTER」や「パイナップルARMY」など、家には浦沢作品があふれていましたが、小学生の自分にとっては内容が高度でほとんど理解することができなかったのを覚えています。大学生になって、20世紀少年が爆発的なヒットを記録した際に、自分も流れに乗って浦沢作品に徐々に手を出すようになりました。しかしその頃は実家に帰っても、親父の本は既に売られて本棚から姿を消していました。それからコツコツと自分の手で買いなおしては夢中で読み漁りました。上記の3作品に加え、「YAWARA」や「HAPPY」なども全巻揃えました。今でもアニメ、漫画の作者で誰が好きかと尋ねられれば、自信を持って浦沢の名前を挙げます。
 その中でも一番気に入っているのが「MASTERキートン」です。主人公の平賀・キートン・太一はロイズという世界的にも権威ある保険会社のオプ (operative) として、世界各国で起こる多様な事件の保険調査に携わります。しかし彼の本当にやりたいことはオックスフォード大学で専攻していた考古学で、遺跡発掘および考古学研究に従事することを目標に掲げ、保険の仕事の傍ら大学の非常勤講師の職にも就いています。なかなか常勤の研究職にありつくことができず、夢を成就させることができない主人公、また離婚した数学者である妻や、その間にできた娘百合子、女遊びが大好きな同じくバツイチの動物学教授の父など、主人公を取り巻く個性豊かな人間関係とそれを廻るドラマがこの作品の魅力の一つであると思います。キートンは元SASという特殊空挺部隊の曹長で、サバイバル技術の教官としての異色の経歴を持ちます。スペシャリストとしての経験や、考古学・世界史に通ずる幅広い知識が作品世界に奥行きを持たせると同時に、主人公の人間性の深さを見るものに印象付けさせます。
 スーツを普段着に各国を飛び回る主人公。ドイツのデュッセルドルフやロシアのモスクワ、イギリスの湖水地方やフランスのブルゴーニュ地方、ギリシアのエーゲ海など、本作の舞台は多岐にわたり、自分もいつかは訪れてみたくなるような素敵な場所が浦沢の鮮やかなタッチで描かれます。漫画では表現されることのなかった色づかいの豊かさがアニメの魅力の一つであると思います。また、主人公役の声優を担当している井上倫宏もまさにはまり役といった感じで、キートンの人あたりのよさや知的で聡明、紳士的な声色がうまく表されていると感じました。なんといってもアニメ版の素晴らしいところはオープニングの「Railtown」という曲です。一度聞けば耳から離れません。音源が欲しい方はオリジナルサウンドトラックの一曲目、「キートン」をあたってみてください。なぜか曲名が地上波のエンドロールにあったものと変更されていますが、間違いありません。必聴です。

 全作見ようとすると少々時間がかかってしまいますが…このアニメは自信を持っておススメできる素晴らしい作品です。

 
 たまりにたまってしまった仕事を一つずつ片付けなくては…まずは明日に迫った修士論文口頭試問。一先ず大学院生としてここで一区切りつくので、しっかりやってこようと思います!

Suffix

また立ち読みです。言語ひとつとっても奥が深いですよね。 

杉本大一郎. (2010). 『外国語の壁は理系思考で壊す』. 東京: 集英社.

外国語の壁は理系思考で壊す (集英社新書)外国語の壁は理系思考で壊す (集英社新書)
(2010/10/15)
杉本 大一郎

商品詳細を見る


 印象としては、著者の主張がてんでばらばらで、論旨が一貫していないかなぁと…少なくとも外国語習得について真摯に検討しようとしたらこの本は手にしません。SLA、神経言語学などの専門書を当たるのが適しています。ただ、中には参考になるアイディアもありました。というより自分が無知なだけなのでこれを機に勉強させていただきました。以下メモ。

 ある概念の大きさなどを表す単位系として用いられている接頭語は、英語語彙にもしばしば見られ、接頭辞として定着しているものが多い。ほとんどがラテン・ギリシア語にその起源を遡る。(pp. 128-134).

1 mono monochrome
2 di,bi dilemma bicycle
3 tri triangle
4 tetra tetrapod
5 penta pentagon
6 hexa hexagon hexapod
7 hepta heptagon
8 octa octopus
9 nona november
10 deca decapod decade
100 hect, (centi) hectare
1000 kilo, (milli)
100万 mega, (micro)
10億 giga, (nano)
1兆 tera, (pico)
1000兆 peta, (femto)

 重さ(g)や長さ(m)など,ある物理量を表す単位系を一つ固定すれば、あとはSI接頭辞を付与するだけでどんなに莫大な大きさであっても省略して表すことができます。10の累乗倍を示します。接頭辞は学校教育の中で幅広く扱いますし、学習者にとって馴染みのある概念だと思います。英語prefixに関する知識定着あるいは気づきを促進するためにも、このような単位系を上手に活用した指導が可能かもしれません。 

 英語数詞についてふと考えた。 

英語の数詞は12(twelve)までを一区切りにそれより先はteenでカウントするので、月の満ち欠けを基盤とする十二進法かと思いきや、twenty-one, twenty-twoのように20からは10進法で数えます。13から19までをteenでカウントするのは印欧祖語をめぐる言語の変遷によるものなのでしょうか?何より十進法と十二進法が混在しているのがおもしろいですよね。20までは足の指も使えばカウント可能だし、うーん…ここらへんは興味のあるところです。形態論を専攻する友人にぜひ訊いてみよう。

Process dissociation procedure

 とりあえず一段落。大学院生として最後の学会発表を大妻女子大学で無事終えました。 

 読んだ論文メモ。過程分離手続きのパラダイムを読解研究に応用し、推論やテキストに明示的に書かれた情報がどのように長期記憶表象に符号化されるのかを検証している。実験心理学的な色が濃い読みごたえのある文献でした。Memory, and Cognitionは必要に駆られて何本か読んだけれど、毎回難解な内容が多い気がする。その分だけ説得力の強い研究が多いです。参考になります。


Singer, M., & Remillard, G. (2004).
Retrieving text inferences: Controlled and automatic influences.
Memory, and Cognition, 32, 1223-1237.

 Abstract

橋渡し推論は命題間のつながりを特定することでテキストの一貫性の保持に寄与する。一方で精緻化推論は単により詳細なテキスト情報を特定する。橋渡し推論と明示的なテキスト情報に関しては、表象における位置づけが類似することが示唆されてきたが、精緻化推論に関しては位置づけが異なるため、これまで多くの先行研究における測定法では、橋渡し推論と明示的なテキスト情報の関係性は不可分なものであるとされてきた。本研究ではテキスト情報の長期記憶表象を査定するために、テキスト検索に寄与する統制・自動処理を分離する、拡張過程分離手続きを用いた。読解中に暗示情報の知覚処理が行われないことから、暗示情報の再認に対する自動処理の寄与は一貫して少ないことが示された。さらに、統制処理の寄与は暗示情報よりも明示情報の再認に対して高く、明示情報の概念表象がより頑健なものであることが示唆された。これらの結果は、表象の各水準、表層形式・命題的テキストベース・状況モデルにおける、明示情報と推論の非対照的な表象を反映しているものと解釈される。




Google Economics

 しばらく滞っていましたが、本日久しぶりにUp。

修了前に消化しなければならない作業を投げ出し、春からの新生活に向けて準備といった状況です。

まだ住まいも決まってないので早めに動かなければ…

 とりあえずパラ読みした本について 


柴山 政行. (2008). 『Google経済学: 10年後トップに立てる新経済学入門』. 東京: フォレスト出版.

Google経済学(グーグル経済学)~10年後にトップに立てる新経済学入門~Google経済学(グーグル経済学)~10年後にトップに立てる新経済学入門~
(2008/09/04)
柴山 政行

商品詳細を見る


 googleと経済?と釣られて手にとってみましたが、特に読み応えありませんでした。

参考になった点が2点。

■1点目: 決算書の見方について

 最近経済にも若干興味が出てきた、というより自分の無知さを払拭したくてちょっと勉強してみたいと思っていたところ。本書ではとりあえず下記の

営業利益÷売上高×100=5%以上が健全経営の最低ノルマ! (p. 22)

が強調されていました。企業の決算報告書を見るときに私のようなド素人が注目すべき点のようです。googleなんかは2008年12月時点で30%を超えているようで、その値がどれだけ健全なのかは具体的によくわかりませんが、とりあえず何の見方もわからない決算書について足がかりとしての指標はできたかなと。今度試しに計算してみよう。

・当期純利益=最終的な儲け

・自己資本比率=純資産と総資産の比率(標準値は30%)借金の具合がわかる。


■2点目: IEのお気に入りをインポート

 個人的にブラウザはIEメインで、Youtube動画やgmailなどを閲覧する場合はChromeを使っていますが、IEで登録していたお気に入りのリストをChromeにインポートするという発想がありませんでしたw
 早速実践してインポートしました。googleのブックマーク機能はタグでいろいろと整理できて便利。まだ使いこなせるか不安ですが、今後何かと使えそうかなという点で参考になりました。


 Google先生にはこれからも存分にお世話になるつもりなので、この類の本には一通り目を通しておきたいものです。

Apartment-Hunting

 新居を求めて往復3時間の道程をひたすらに行き来する日々。

��軒程度不動産屋を廻ってやっと納得のいく物件に出会えました。

地元不動産の対応の仕方が自分には合わず、大手不動産にあたりました。 

人生初の賃貸個人契約。だめもとで誠意をもって家賃交渉に挑みました。

結果、賃料月額2000円値引きしてもらえました!もともと礼金はなしだったのでこの下げはでかいです。

家賃を値切るのに抵抗があったのですが、友人からのアドバイスを活かしていい方向にもっていくことができました。言ってみるだけはタダですが、貸す側・仲介する側の文脈を考慮すると折れどころの見極めが難しいなあと感じました。また手札は少ないですが、こちら側から出せる最大のカード(即決の確約など)を提供して様子をみることが重要だと感じました。何よりも礼をつくすことが大切!

 いい新生活のスタートを切れるように、これからの雑務をてきぱきと片付けていきたいと思います。

Teaching Experience

数時間前、非常勤先での最後の勤務を終えた。

振り返れば修士2年の4月からはや一年。

初めて飛び込んだ特殊な環境、修論執筆との二足のわらじに苦戦しながらも、なんとか無事勤務を終えることができた。

お世話になった英語科の先生方、ALT、トップの方々や生徒たちに挨拶をする度に、回顧的に自分を振り返るような感覚に陥った。

「与えられた環境下で自分の力を最大限発揮できただろうか?」

いつもこういった局面でこの発想が頭をよぎって、自分の力不足に顔をしかめることになる。恐らくこれからも自分が教職に就いている限りは何らかの形でこのフェーズを体感し続けるのだと思う。

 最後の5分間は涙が出るのを必死で堪えた。さっきまで明るかった教室が暗い重苦しい雰囲気で満たされているのを感じた。涙もろい子は目に涙を浮かべていた。たった一年、週に一度あるかないかの関わりに涙してくれるくらいには素直な生徒たち。この学校の生徒はあらゆる場面で、本当に純粋だったと思う。感謝の気持ちも深くなる。

 多くの学びがあったし、ここでしか経験できない教職があった。やりがいのある仕事だったと思う。振り返ればあの頃先輩からのオファーを引き受けて本当に正解だった。これから続くであろう教職の中でこの経験がどういった振る舞いを見せてくれるかまだ解らないけれど、これを糧に新しい環境へ再び飛び込んでいきたいと思う。

Risk

一週間ほど前の 2011年3月11日14時46分、東北関東大震災 (東北地方太平洋沖地震) が発生。

被災者の方々のご冥福を心から祈る。

 今後の人生の中でも大きな意味を持つであろう未曾有の危機が日本を襲った。

 気象庁震度階級の最高位を占める最大震度7が宮城県で観測された。日々修正されていったマグニチュード9.0という数値がこの震災の規模に拍車をかける。

 家族と連絡がとれない恐怖。友人知人の安否不明。津波。火事。余震。原発。計画停電。避難者。孤立者。帰宅困難者。高速道。一般道。水。ガス。電気。ガソリン。石油。灯油。医薬品。懐中電灯。ラジオ。食糧。

 今まで見えてこなかったありとあらゆる危機が一気に姿を現す。国家の危機管理体制が問われ、個人のモラルや信条、citizenshipが見直される。

 自らの危険を顧みず、現場の最前線で救援活動に尽力する陸・海・空自の方々、各国援助隊、ボランティア。最大400ミリシーベルトを観測する危機的状況の中、福島第一原発復旧作業に取り組む東電社員、消防庁、警視庁。

 先の見えない真っ暗な最前線に飛び込んでいった人たちの姿や声を決して忘れたくない。

 首都圏では集団心理が働いて不必要なガソリン、マスク、食糧、電池、ライトをめぐる買いだめが続き、最前線への供給を妨げる。心ない市民によるデマ情報やチェーンメールが横行し、情報に踊らされる市民が続出する中、昔ながらの方法でお隣さんと気持ち一つに結託してこの危機を乗り越えようとする戦争・関東大震災経験者たちの姿がある。リスク・マネジメントの在り方をもう一度考え直したい。

 地球市民としての支援があった。Operation Tomodachi, G7協調の円高回避, クライストチャーチの危機に苦しむ中NZから駆け付けた救助隊。真っ先に駆けつけた隣国韓国の救助隊。 "Japan is not alone." "Pray for Japan" といった国境を越えて言葉、心が日本国を勇気づける。一人一人が日本国民としての誇り・情熱を持って自分にできることを精一杯やろうと励んでいる。節電節水・募金・思いやり。「困った時はお互い様」の日本文化のよさを改めて痛感させられる。

 この危機から生まれた悲哀や憎悪の大きさはやりどころがなく計り知れないけれど、この危機を乗り切った先に希望を持って、わたしたちのこれからをよりよいものにしていく責任があると思う。そういった観点からもこの事象を経験し、この事象から学んだことを心に刻み大切にしたいものである。

DiTT

『第一回 デジタル教科書・教材 勉強会 in TOKYO』

に参加してきました。

会場となった東洋学園大学本郷キャンパスは東京ドームのすぐそば。

MM機器の取り揃えも素晴らしかったし、英語教育に特化した大学独自のプログラムを採用しているようで学園としての取り組みに非常に興味を持ちました。少人数クラスで少数精鋭のスタッフが相手してくれる。理想ですね。

勉強会自体は自分は午前の部で切り上げてしまったので消化不良…次の機会には是非最後まで。

今回の勉強会の主催はDiTT: Digital Textbook and Teaching 「デジタル教科書教材協議会」。同僚の先生に紹介されるまで恥ずかしながら全くその存在を知りませんでした。幹事会員には有名企業も賛同していて、勉強会当日にも多くの企業さんがみえていました。学習者用、指導者用のデジタル教材、タブレット型PCや最新の電子黒板に対応したポインターなど、展示説明があったので空き時間に見て回れたのがよかったですね。勤務先にも採用してほしいアイテムが何点かありました。時間が許せばもっと見ていたかったなぁ。

DiTTの謳い文句「2015年までにデジタル教科書・教材を日本のすべての小中学校に」が実現されるかどうか楽しみです。高等学校にもこの波が訪れて、英語教育の新たな可能性が広がることを期待しています。自分としては、デジタルの力を適所で使うことには大いに賛成なので、こういった方面の動きにも今後注目していきたいです。新しい教育の形に順応していくより、新しい在り方を常に考えられる教員でありたいと思います。

Steve Jobs



ご冥福をお祈りします。
2005年スタンフォード大学卒業式でのスピーチ。
授業の中でまず喪に服しているApple社のホームページを見せ、導入としてこの題材を使用しました。
以下着目させた表現をメモ。
Again, you can't connect the dots looking forward; you can only connect them looking backwards. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future. You have to trust in something — your gut, destiny, life, karma, whatever. This approach has never let me down, and it has made all the difference in my life
I'm pretty sure none of this would have happened if I hadn't been fired from Apple. It was awful tasting medicine, but I guess the patient needed it. Sometimes life hits you in the head with a brick. Don't lose faith. I'm convinced that the only thing that kept me going was that I loved what I did. You've got to find what you love. And that is as true for your work as it is for your lovers. Your work is going to fill a large part of your life, and the only way to be truly satisfied is to do what you believe is great work. And the only way to do great work is to love what you do. If you haven't found it yet, keep looking. Don't settle. As with all matters of the heart, you'll know when you find it. And, like any great relationship, it just gets better and better as the years roll on. So keep looking until you find it. Don't settle.
Remembering that I'll be dead soon is the most important tool I've ever encountered to help me make the big choices in life. Because almost everything — all external expectations, all pride, all fear of embarrassment or failure - these things just fall away in the face of death, leaving only what is truly important. Remembering that you are going to die is the best way I know to avoid the trap of thinking you have something to lose. You are already naked. There is no reason not to follow your heart.
Stewart and his team put out several issues of The Whole Earth Catalog, and then when it had run its course, they put out a final issue. It was the mid-1970s, and I was your age. On the back cover of their final issue was a photograph of an early morning country road, the kind you might find yourself hitchhiking on if you were so adventurous. Beneath it were the words: "Stay Hungry. Stay Foolish." It was their farewell message as they signed off. Stay Hungry. Stay Foolish. And I have always wished that for myself. And now, as you graduate to begin anew, I wish that for you.
Stay Hungry. Stay Foolish.

At the close of a year

Have the courage to change, and the patience to forge ahead.

Anonymous

断ち切る勇気、続ける根気。
 
詠み人知らず


Question

question
某幼稚舎で出題された問題のようです。

4人の男の子が図のように部屋の中に隔離されています。この4人にはあらかじめ次のことを知らされています。部屋に入っているのは全部で4人であること。黒いキャップを被っている人は2人、白いキャップを被っているのが2人。そして自分が何色のキャップを被っているかは知らされておらず、自分で自分の頭のキャップを手にして見るのは駄目。またA君とB、C、D君との間は壁で仕切られて相手が見えない。全員後ろを振り向いて見ることも絶対だめ。さて、ここまでの条件をこの4人に話した上で、自分が何色のキャップを被っているかわかった人は声を出して答えてください、と部屋の外から先生が問いかけるのです。ここからが問題です。しばらくの沈黙があった後、自分のキャップの色を当てた少年がいます。それはA、B、C、D4人のうち誰で、その理由はなぜ?

これを教材にしてみたいと思います。

Responsibility

今日、進級判定会議・職員会議後に来年度の人事配置についての発表があった。

来年度から学校の顔になるクラスの担任を任されることが決まった。

責任が肩に重くのしかかるのを感じると共に、新しい経験に飛び込む直前のワクワク感と期待とで複雑な心境だ。

業務の多忙化に翻弄されない自分を持って、とにかく一年を真っ当に乗り切ろうと思う。

KATE The 36th Annual Convention in Gunma

関東甲信越英語教育学会 第36回群馬研究大会に参加。

仕事の都合上初日のみの参加になってしまったのが残念。

会場の共愛学園前橋国際大学は初訪問。ミッション系のキャンパスはやっぱり雰囲気があって美しい。

研究発表を2本とポスターセッション、シンポジウムを拝聴。
特にシンポジウムでは来年4月から始まる、「英語の授業は英語で」の意義と展開について考えさせられた。
各学校の環境や生徒の実態を踏まえながらも、全体的には大きな流れに乗っていくのだろうなあと思う。
英語教育の発展と調和に貢献するためにも、目の前の生徒と向き合うのではなく、横に立ち、同じ視点で考える教育の在り方を考えていきたい。

YOLO

You Only Live Once.



人生でやりたい100のこと(随時増えます)

1, 日本百名山登破 バッジ集める (25/100)
2, 実用英語技能検定一級を取得する
3, 博士号を取得する
4, 結婚する
5, 善良な父親になる
6, マイホームを建てる
7, 30歳までに資産1000万円を形成する
8, 世界遺産ハントをする
9, 宇宙に行く
10, 学校法人設立or経営者になる
11, 高等教育機関で勤務する
12, ★国際交流に尽力する → (2012.10 NZの高校生短期留学受け入れ、2013.3 AUへ日本人高校生短期留学引率、2014.3 NZへ日本人高校生短期留学引率、2014.10 NZの高校生短期留学受け入れ、2015.3 AUへ日本人高校生短期留学引率)
13, 電気自動車を取得する
14, ヘラクレスオオツノカブトムシを捕まえる
15, 日本AND世界一周をする
16, 実用英語技能検定面接官を担当する
17, ステイトクウォーターを集める
18, 世界一美味しいラーメンを食うor作る
19, 自然教育に尽力する
20, ギターで何かやり、入賞する
21, カメラで何かやり、入賞する
22, ソフトテニスで何かやり、入賞する
23, レッチリかジョンのライブに参戦する
24, フルマラソンを走破する
25, ドーバー海峡をブレで横断する
26, バンジージャンプに挑戦する
27, 本場ディズニーランドへ行く
28, ログハウスを建てる
29, 七大陸最高峰を制覇する
30, ピースボートに乗る
31, 急流下りに挑戦する
32, 英語で夢を見る
33, オーロラを見る
34, ★ブロッケン現象を見る → (2012.9.29 観測@谷川岳山頂)
35, ヘリコプターから美しいものを見る
36, PCを自作する
37, スカイダイビングに挑戦する
38, スキューバダイビングに挑戦する
39, サーフィンに挑戦する
40, ラフティングに挑戦する
41, パラグライダーに挑戦する
42, 映画を1000本観る
43, 標準体重を維持する
44, 裁判員を経験する
45, 両親、祖父母へ孝行する
46, ドイツでソーセージと黒ビールを愉しむ
47, 禁煙する
48, ホームビデオをフルハウス的に撮影する
49, ファミリーキャンプをする
50, オフィスをもつ
51, 書斎を作る
52, シアタールームを作る
53, 大学ボールペンを収集する
54, 村上春樹の全作品を読破する
55, バックパック旅行をする
56, 麻雀で大物に勝つ
57, ファーストクラスに乗る
58, 本を執筆する
59, 献血する
60, 滝に打たれる
61, 自給自足生活してみる
62, ぐんま百名山を登破する (47/100)
63, ブラインドタッチを究める
64, 1000万プレイヤーになる
65, カジキマグロを釣る
66, オオクワガタを捕獲して売る
67, ヒッチハイクする
68, 家具を作る
69, 地主になる
70, 個人事業者になる
71, ★確定申告する(2015.2.18)
72, 大型自動二輪を運転する
73, 劇団四季の演劇を鑑賞する
74, 整体に行く
75, ★英語を使える日本人を育成する 生徒に賞を取らせる→(2013.10.29.高2生スピーチコンテスト・レシテーション部門優勝、2013.11.22.高2生スピーチコンテスト本選・レシテーション部門特別賞)
76, 世界中の祭のニオイを嗅ぎ分ける
77, 漢検一級を取得する
78, プロ雀士資格を取得する
79, ホームパーティをホストする
80, 座禅して禅の精神を体得する
81, 他人に善い影響を与える
82, 安定した不労所得を得る仕組みを確立する
83, 猟銃免許を取得し狩をする
84, 犬を育てる
85, 靖国神社に参拝する
86, 八十八ケ所詣りをする
87, トモダチを増やす
88, NBAの試合を観戦する
89, オリンピックを観戦する
90, ウィンブルドンを観戦する
91, ミスチルのライブに行く
92, 戦場に行く
93, 恵まれない子供たちと話す
94, 大切な人を幸せにする
95, 恩師と仕事をする
96, ソフトテニス部を全国大会に連れていく
97, 招待講演の依頼を請ける
98, タイムカプセルを開ける
99, 天下る
100, 悔いのない人生の最期を迎え,笑って逝く
101, 有段者になる
102, 協定校を作る
103, 関東百名山を登破する (41/100)
104, 栃木百名山を登破する (23/100
105, 関東でラージマウスバス50upを捕る (47cm 2014/9/3)
106, 関東でスモールマウスバス40upを捕る (37cm 2014/8/30)

friend

A life without a friend is a life without a sun. 

French Proverb


友人のいない生活は、日の当らない生活である。

フランスの諺



personal relationship

A friend in need is a friend indeed. 

Proverb


まさかの時の友こそ真の友



Definition of a true friend

Out of sight, out of mind. 

Proverb


去る者は日々に疎し。



#



mistake or error

第17回関東地区高等学校英語教育研究協議会群馬大会@前橋市民文化会館 に参加。

朝一でリーディングの分科会に参加。

茨城の先生方の共同研究は、多様なproficiencyをもつ高校間における英語主導による実践記録で、中期にわたるサンプルとして大いに価値のある研究であり、参考になりました。

熟達度に応じたそれぞれの高校英語の担う役割があるなあと再確認させられました。


群馬の先生の発表は、いわゆる進学校における疑問文作成課題に関する実践でした。
より深い読解、とりわけ背景知識と統合させた高次処理を引き出すには効果的な指導法であり、具体的な手だてとして有益であると思いました。

自分の授業にもアレンジを加えて部分的に使用してみようかなと思います。生徒の発問作成においてはミステイク(単なる躓き)とエラー(規則性のあるコンスタントな誤り)を区別し、適切なフィードバックを与える必要があると思います。エラー訂正のタイミングとしては、コミュニケーションが成立している時点では介入せず、broke down が生じた場合には必ず手を入れるという助言もありました。

続いてスペシャルセミナーとして、吉田研作先生(上智大学教授)の「今後の日本の英語教育」についてのお話を拝聴。

多角的な視点から、実証的なデータを裏付けに日本人の英語力の向上が急務であることについて話をされました。氏の流暢な英語に胸襟を正さなくてはと感じた講演でした。大学入試制度に大きなメスを入れなければ真にコミュニカティブな英語教育の実践は現状成立しないのではと感じます。そういった意味ではTEAPのような入試形態の普及が今後進むにつれ、英語教育とその実践の真価を問われる日が今後来るかもしれません。期待大です。

続いて昼食を挟み、卯城祐司先生(筑波大学大学院教授)の「英語で英語を読む授業」についてのワークショップに参加。氏の話術に脱帽。あれだけ観客を飽きさせない技術は一体どうすれば身に付くのか。dictoglossやretellingをペアワーク形式で実践してみたり、新学習指導要領を踏まえ授業を変えていく際に私たちが考えねばならないことについていくつかの指標を与えていただきました。

新著も出たので必見です。


今回は関東ブロックの関係者にも会うことができ、実りの多い講習会でした。

次回も是非参加したいと思います。

9.11

"If the sun were to explode, you wouldn't even know about it for eight minutes because that's how long it takes for light to travel to us. For eight minutes, the world would still be bright and it would still feel warm."


"太陽が爆発しても僕らは8分間何も知らない。それが光が地球に届くまでの時間。8分間世界は何も変わらずに明るく太陽の熱を感じる。"


from Extreamly Loud Incredibly Close

think globally, act locally

日々目の前の仕事に眈々と向き合っていると、価値観や思考が局所的なものになっていく嫌いがある。大局的な視点を失ってはいけない。用心せねば!

go action

先日職員研修で復興教育支援事業の一環として東洋大学参与の川合正先生の講演を拝聴する機会があった。
講演の中で、興味深いテーマについて考えさせられた。先生は行動主義心理学における「意識が考え、無意識が応援するとき、人は行動を起こすことができる」という視座についてお話された。
 確かに教育現場に携わっていると、生徒が真の意味で努力をする際には、必ず何らかの成果あるいは可能性を予感しているという感覚を何度も味わってきた。生徒たちにとって「収穫を予感させる授業」を実践していきたいとは思うけれども、その予感の背後にある生徒たちの自我を超えた無意識の存在を認めることが重要だと感じた。無意識的に成功体験の乏しい生徒は「どうせ自分には無理」「何をやってもできない」という思考が脳内を支配するかもしれない。あるいはその逆に自分の状況や環境を参照して成功例をカスタマイズし、「いける」と無意識が行動を助長するかもしれない。この無意識が親のコミュニケーション方略によって刷り込まれた手の着けようのないものである場合もあるから厄介だ。大切なのはindividual differenceを見極めること。その特性や行動特徴をつぶさに観察し、最良のフィードバックを思案し与えてやることだと再確認させられた。まずは目の前の生徒から臨床知を深めていきたいと思う。

way of living

The nuns taught us there are two ways through life - the way of nature and the way of grace. You have to choose which one you'll follow.
Grace doesn't try to please itself. Accepts being slighted, forgotten, disliked. Accepts insults and injuries.
Nature only wants to please itself. Get others to please it too. Likes to lord it over them. To have its own way. It finds reasons to be unhappy when all the world is shining around it, when love is smiling through all things.
They taught us that no one who loves the way of grace ever comes to a bad end.
I will be true to you whatever comes.


"生き方には二通りある"と修道女に教わった。世俗に生きるか、神の恩寵に生きるか。どちらか選ばなくては。

神を選ぶ人は利己心を持たない。軽んじられ、忘れられ、疎まれることを受け入れる。侮辱され、傷つくことも。

世俗に生きる人は利己的。他人を自分に従わせ、威圧的に振る舞う。自分の意のままに。常に不満の種を見いだす。周りが幸せに輝いていても。愛情が満ち溢れていても。

こうも教わった"神の恩寵に生きる者に不幸は訪れない"と。

あなたに忠実に生きます。何があろうとも。



from Tree of Life

poverty

糸井重里と、元世界銀行副総裁の西水美恵子氏による対談記事がおもしろい。

経済学による貧困の定義が、

「1日1ドル以下の生活を強いられる人=貧しさ」

であるならば、西水氏は以下の価値観について話す。


見えない尺度で計るんです。
たとえば、パキスタンのお母さんと最初に会ったとき、
彼女が英語で、「This is not life. This is just keeping a body alive.」
って言ったんですよ。
「これは人間の生活ではない。動物のように、ただ体を生かしてるだけだ」


西水氏は、この状況にコミットし、精神的な尺度で貧困という状態を計るという視座について語られていた。


畑は違っても、自分にも教育学について同じ感覚を味わったことがある。

学問や理論構築の分野が教育を語る時に、何だか胡散臭い印象を受けるのは、こういったものを積み上げようとする人たちに、本当の意味で教育にコミットした経験があるのかが疑わしいことに起因するのではないかと感じる。

例えばこれまで単純に『L2熟達度において有意差がみられた』だのというタームで切り分けてきた事象が、現場では一筋縄にいかないことを知る。

子どもたちの熟達度と学習動機に関連が見られるのであれば、その背景には切っても切り出せない多種多様な要因が介在している。

子どもたちにとっての社会における様々な要因が、プラスの面でもマイナスの面でも大いに影響を与えるのである。対人関係や家庭環境、幼少期の成功経験の豊富さにおける個人差は言わずもがな、それこそ日々目まぐるしく成長する子どもたちは、発達心理学の枠組みでは包括できないくらいの心の複雑性を見せてくれる。

子どもたちの力を伸ばしたい。教育に従事したいと考えていく上で今後自分にとって大切なのは、こういった複雑性を見せながら日々成長していく子どもたちと同じ皮膚感覚を得て、本当の意味で目の前の教育現場にコミットすることなんじゃないかと思う。そういった意味では、精神的に状態を計るという営みが臨床の知の獲得へと繋がっていくのかも知れない。