2012年12月19日水曜日

Statistics

 今日は近くのモールで「英語教育2月号」購入ついでに読書。

神永正博. (2009).『不透明な時代を見抜く「統計思考力」』. 東京: ディスカヴァー・トゥエンティワン.

不透明な時代を見抜く「統計思考力」不透明な時代を見抜く「統計思考力」
(2009/04/15)
神永 正博

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 大学院時代に一番勉強したこと…それは教育心理統計。論文を読むにも書くにもこれなしではやっていけない分野だったので仕方ありません。錆びついた数学の知識を再活性化させるのに本当に骨が折れました。本書はとてもわかりやすい具体例を交えて平均値や標準偏差や相関といった基本的な概念を丁寧に説明していました。改めてデータに踊らされないように基本理念を徹底的におさえることが大事だと再考させられました。以下気になった点をメモ。

・平均値より中央値を重視すべき局面がある。

・周期性がなくてもそう見える、見せかけの循環 ユール=スルツキー効果 (p. 132)に注意。
 
 著者は周期性よりも大きな概念としての規則性について言及されていました。株価の値動きの例がとてもわかりやすかったです。擬似相関など、そう見えてしまうものを特性として捉えてしまうことは避けたいです。

・標準偏差=データの散らばり具合⇒分散はルートの中身 (pp. 137-140)
・偏差値=50+10×(その人の得点-平均点)÷標準偏差⇒正規分布を考慮して、平均からどれくらい離れているかを見るもの(p. 148)

 偏差値を扱う職業として、正規分布における偏差値と人数分布くらいは頭に入れておこうと思いました。⇒偏差値50の中央から38.3%, 24.17%, 6.06%, 0.62%のデータがおさまるように分布が広がる。ただし、ワイブル分布のようなゆがみに注意せよと著者は言及していました(p. 157)。共通一次の得点等に関してはこの正規分布を応用するのは不適であることも言及されていました。


 院での文献研究に際しても同様のことを感じましたが、とにかく生データをよく見つめること、他人の解釈によって加工される以前のものを見ておくこと、これが大事だと思います。

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